◆98年11月(NO.37)
 
溶連菌感染症
 溶血性連鎖球菌という細菌によって起こる冬に多い感染症のひとつです。赤ちゃんの感染は比較的少なく、幼児や学童期の子どもに多い病気です。病状としては急な発熱や喉の痛みで起こり、咽頭炎や扁桃炎などと診断されます。

 昔は猩紅熱と呼ばれ、炎症はかなり強く嘔吐や腹痛・頭痛を伴い、舞踏病といって踊るようなしぐさが見られたり、けいれんを起こしたりすることもありました。死亡率が高く治っても心臓病や腎臓病、けいれんの後遺症などを残すことが多かったので、猩紅熱と診断されると隔離されていました。

 発症すると首や手足に発疹が出たあとで身体中真っ赤に染まります。舌はブツブツが出てイチゴのように(イチゴ舌)なるのが特徴です。現在は有効な抗生物質があり、重症にならなずに済んでいますが油断はできません。喉の検査で溶連菌が見つかったら抗生剤を2週間ほど続けて服用します。2〜3日で熱や喉の痛みがなくなってもくすりを止めると再発しますので、指示どおり最後まで飲むことが大切です。

 喉の痛みが強い時期は熱いものや辛いものなど、刺激の強い食べ物は避けてください。症状が治まったら腎炎やリウマチ熱などの合併症のチェックの為に1ケ月後に検尿をします。病後の経過は十分観察して用心してください。

『家庭での注意』
    ☆兄弟がいれば感染の恐れがあります。同じような症状がないか注意してください。
    ☆なかなか熱が下がらないときやグッタリして水分をとらないときは早めに受診を。
    ☆学校や保育園は病状の経過次第ではお休です。受診の際に相談してください。
 
予防接種Q&A(接種後の待ち時間は何の為)
 予防接種を受けた後にワクチンに反応して起こる体の変化を「副反応」といいます。ワクチンは体の中に免疫をつくるために、発病しないギリギリのところでつくられていますが、効果が強すぎると症状が出てくることもあります。

 通常は注射の後が腫れた、熱が出たといったものですが、人によってはごくまれに注射の後15〜30分以内に急激な副反応が起こることがあります。その場合は医師の適切な手当てが必要なため、30分程度は院内で待っていただいています。

 かかりつけ医による個別接種で健康状態の良いときに受けることが可能です。接種の時期など受診の際に相談しておくと良いですね。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です