◆2006年11月01日(NO.133)
 
今年は最多、おたふくかぜ
 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスが原因して起こる病気です。近年は数年周期で流行を繰り返していますが、今年は九月末までに感染者が十六万人を超えて大流行のようです。感染するのは主に幼児期から学童期のこども達で、感染者の七割を占めています。

 ムンプスウイルス感染は油断すると合併症を併発して重症化することがあります。周りで流行が見られたら感染予防を心がけましよう。感染した場合はこじらせずに軽く済ませることが大切。おたふくかぜの症状かなと思ったら、受診して診断を受けましよう。おたふくかぜのウイルスはくしゃみや咳などを通じて伝染します。そのため、おたふくかぜは学校伝染病の第二類に分類される法定伝染病です。
 おたふくかぜと分かったら、ウイルスの排出期はしばらく保育園や学校はお休みです。不明の点はかかりつけの先生に相談しましょう。
 
おたふくかぜってどんな病気
 症状としては二〜三週間の潜伏期の後に軽い発熱があり、耳の下やあごの下が腫れます。腫れは二〜三日でピークに達し、熱は39℃に及ぶこともあります。注意しなくてはならないのが合併症。細菌の繁殖による混合感染でリンパ腺の腫れや化膿、無菌性髄膜炎などが発生する場合も。また、すい臓炎を引き起こしたり難聴になったりすることがあります。成人の場合は男子で精巣炎、女子で卵巣炎などの合併症に特に注意を要します。
 
予防と家庭でのケア
 おたふくかぜは免疫ができると二度と罹らないとされていますが、将来精巣ガンの発生も指摘されています。ワクチン接種で備えることが大切です。症状だけでは判断しにくい場合もあり、診察を受けてアドバイスを受けましょう。
 家庭でのケアは熱を下げる、痛みをやわらげる、喉が痛いときは喉にやさしい食べ物を選ぶなどです。症状が改善しないときは必ず再診を。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です