◆2002年 9月(NO.83) |
|
肝炎/母子感染の予防と対策 |
肝炎の主な原因は、ウィルス、アルコール、薬物等ですが、日本人の肝臓病の約8割はウィルスによるものです。肝臓障害を伴うウィルス感染症には、CMV、EVウィルス、黄熱ウィルス、コクサッキーウィルスなど様々ですが、ウィルス性感染としてはA・B・C・D・E、その他に分類されています。この中で特にB型とC型肝炎は、慢性肝炎に移行する可能性が高く、その後に肝硬変や肝臓癌と経過する例も少なくありません。現在、日本でのB型・C型肝炎の患者数は400万人以上と推定され、年間4万人以上が肝臓病で亡くなっています。 |
|
母子感染の予防(B型肝炎) |
現在、小児の感染経路で最も多いとされているのが母子感染です。お母さんがB型肝炎ウィルスを体の中に持っている場合(HBs抗原陽性)、80〜90%の赤ちゃんがウィルスをもらって生まれてきます。肝炎ウィルスが体の中でじっとしている間は問題ないのですが、活動を始めると肝炎が進行しますので、事前の予防と対策が必要です。予防は母親の妊娠時に妊婦のHBs抗原を検査し、陽性であればHBe抗原を検査します。HBe抗原も陽性であれば、生まれたこどもに対する感染予防も公費負担で受けられます。予防方法は生まれてすぐ行う免疫注射と予防接種です。生後48時間以内にB型肝炎グロブリンを接種、免疫を持続指せるために2か月後にもう一度接種します。これで血液中のウィルスを中和し無毒化することが出来ます。その後、予防のためにB型肝炎ワクチンを3〜4回接種することになりますが、この方式で95%の乳幼児がキャリアーになるのを防ぐことができます。 |
|